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定期テスト作成の難しさ

定期テストの時期になるといつも感じるのは、テスト作りを苦手としている教員は一定数いるということだ。 考えてみれば、そう感じるのも無理はない。教員養成、教育実習そして採用にいたるまでテスト作りの体系的な研修があまりにもないがしろにされているためだ。 そしてテスト作りの技術は経験を積めば向上するという保証もない。各学校でテスト作成の研修会を実施すればいいのだが、おそらく授業実施法についての議論以上に教員間でのコンセンサスに至るのは難しいのではないかという印象がある。 誰もが自分が苦労して作成したテスト問題に愛着がわくのだ。それを他人からとやかく言われたくない。 しかしそれではいけない。筆者の経験では、英語科は授業手法は担当教員の裁量に任されているが、定期テストは共通したものを使っている場合が多い。大学入試を目標とすると、統一した目標設定をしなければいけないのは道理にかなっている。 すると、定期テスト前に担当者が作ったテストを見てその他の教員は考える。自分が授業で実施した内容はこのテストで有効に反映されうるだろうかと。 あるいは、そのような問題が出題されるなら違う授業のやり方があっただろうと後悔するかもしれない。そうならないためにテストは前もって作っておくのが良いのだが、時間的制約からそうもいかない。 ならば、テストに出題される問題の傾向や質を事前に共有しておくのが良い。この共有は教員間だけでなく生徒も含まれる。 さて、実際のテスト問題の作成技術に関する考察は別の機会に譲るが、作成の際に考慮すべき一つの重要な点を挙げておきたい。それは、   生徒にどのようなことが出来てほしいか(具体的な語彙、語形変化など)   である。当然のことのように思えるかもしれないが、実際のテストを見てみるとそうではなく、テスト作成者の都合、癖によって問題が作られていることが少なくない。 これはテスト問題評価の試金石である。自分が作った問題を見返して、一項目ずつ、その問題を正解するためには生徒はどのようなことが出来ればいいのかを考えるようにすると良い。