50分の始まり方

チャイムが鳴る、起立、礼、着席。

この後に何をするかは50分をどう終えるかと同じ位重要だ。むしろ、飽きさせない授業の実現のためには、終わりよりも始まりの方が注意が必要である。

「前回は10ページまで説明したから今日は11ページから始めます。」

と始まる授業は個人的に好きではない。それには理由がある。

まず、これからすることがあからさまに単調に見通しがつき、とても期待できない。教材が面白くなければなおウンザリする。

物理的な理由もある。教科書とノートを開き筆記用具を出す作業は生徒によって時間差が出やすい。授業の最初から進度に差が出るのは望ましくない。遅れた生徒をどこかで待たなくてはならなくなる。その時に速い生徒を一緒に待たせてしまう。真面目についてきたのに不公平だ。

だから、授業の開始は手ぶらで出来ることが良い。単語の復習と銘打ってコーラスで練習しても良い。

前回までのストーリーを口頭でまとめて聞かせても良い。所々指名して質問しても良い。答えられなければ教科書を開かせて答えを探させる。こうすると「教科書を開く」という作業にスムーズに、かつ有意義に移行できる。

目が離せないテレビドラマは決してその日のあらすじから始まらないのと同じように、わくわくする英語の授業もいつの間にか参加していたような仕組みを作ることが大切だ。

印象で話をすれば、中学校の英語の先生方はこの点工夫されているように思う。取り扱う内容、分量が違うとは言え、生徒に興味を持たせるという欠くことの出来ない視点を、高校英語でも追及する余地は多分にあると思う。

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