発音と呼吸法

高校英語の授業の音声教材があまり充実しているとは言い難い状況において、英語教員の発話は重要な教材だ。英語教員は発音に敏感でなくてはならない。

そしてこの「敏感」というのはいわゆる「ネイティブ」な感じを出すのではない。Englishを口を尖らせて「イングウィ-ッシュ」などと発音していればネイティブっぽいというか日本語っぽくないので上手く騙せるかもしれないが、デメリットの方が大きい。

大切なのは、1つ1つの音を正確に鳴らすということだ。こう言うのには理由がある。

1つ目は、綴りと音の一致である。発音を正確にやらないと、celebrateなのかcerebrateなのか分からなくなる。

2つ目は、生徒の聴解能力の育成のためだ。習慣的にその教員の英語を聞くならば、そこに欠けている音素、sであれrであれ、を聞き分ける耳の力は、衰えないまでも伸びないことは予想される。教室外で通用しない英語のリスニング力となってしまう。

だからどれほどゆっくりでも速くても、大声でも小声で発音しても、すべての音を鳴らし漏らさないようにしなければならない。

しかし、一対一で話すときと、教室全体に響き渡るように話すときとで同じクオリティの発音をするのは難しい。

具体的には後者の方が難しい。母音は伸ばせるが子音は伸びない。母音ばかり鳴ってしまう。また、声量を確保しようとすると細かい発音から注意が逸れる。録音してみるとわかる。

歌手などが腹式呼吸を取り入れるのは呼吸と調音の筋肉を独立させるためらしいが、大きな声での英語の発音にも役立つ呼吸法だ。慣れてくると、音量に関わらず発音に集中出来るようになる。

呼吸法や発声法は、英語教員の養成過程に取り入れてみたらなかなか有益だと思う。

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