「Listening Stop」 (リーディング 導入~中盤)

<概要>

日本語訳を見ながら英語を聞かせ、所々英語を止めてその箇所を日本語訳上で確認する。


<準備>

日本語訳のプリント


<手順>

1.生徒にあるパッセージの日本語訳を渡す。

2.教師が英語を読み上げる最中、生徒は指で日本語をたどる。

3.途中、あらかじめ教師が決めておいた箇所で読み上げを止め、その都度生徒を指名して現在どこまで読み上げたか答えさせる(止まった個所の直前、あるいは直後の日本語を言わせる)。教師はあらかじめ止まる箇所に英文と日本語訳両方に印をつけておく。分量に応じて4~5回止める。

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<例>
英文:Once upon a time, there lived an old woman and an old man in a village./One day, she went to the river to do the washing/and he went to the mountain to pick up firewood.
日本語訳:昔、住んでいました、おばあさんとおじいさんが村に。/ある日、おばあさんは川へ行きました洗濯するために/そしておじいさんは山へ行きました、薪を集めるために。


 教師:(英文を読む)"…an old man in a village." Student A, where are we now?
 生徒:「ある日」
 教師:That's right. OK, I am reading from 「ある日」. (英文を読む)"One day, …"

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<ねらい>

・リーディング系の授業で、発展的な活動に入る前に本文の内容を生徒に大まかに理解してほしい時がある(音読前など)。これを解決するために日本語訳を先に生徒に配ってしまう指導法があるが、これだと生徒が実際にその日本語訳を家庭学習などでじっくり読んでいるかどうかは測りがたく、活動前の理解度が生徒間でばらついてしまう恐れがある。そこでこの「Listening Stop」は、生徒が日本語訳を確実に読むことを保証しようというのである。

・リスニングの練習になる。意味理解は日本語訳によって保証されているため、意味理解を伴ったリスニングの活動となる。これは英語音声の映画を字幕付きで聞いている状態に近いかもしれないが、教師が読み方の調整をすることができるため、例えば重要語句などを強調して読むなどして、より生徒の意識を細部の言語的側面に引き付けることができる。


ただし、日本語訳を見ながら英語を聞くという活動がどれほどリスニング力の向上につながるのかははっきりわからない。もしかすると、日本語と英語という2つの理解への道筋を同時に扱うことが生徒の聴解の妨げとなる可能性もあるかもしれない。

それでもこの活動は取り入れやすさ、わかりやすさといった利点があり、各課の初期や復習の際にも実施しやすい。また生徒全体の進捗を一つにすることができる点は、授業進行手段の一つとして準備しておきたい。

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